0―12歳までの一貫教育、横浜の学校法人が計画

 国内では例のない0歳から12歳の一貫教育実現に向け、横浜市の学校法人が、今秋の構造改革特区申請で2007年開校を目指す新たな小学校設立準備を進めている。

 欧米で広く浸透している教育法を乳児段階から小学校教育まで導入し、子どもの潜在能力の発達を促そうとするもので、文部科学省も注目している。

 この学校法人は、横浜市の「高根学園」(高根澄子理事長)。同市青葉区に幼稚園を持ち、3歳児以上(定員175人)の教育のほか、2歳児と2歳児未満のクラスも試行。また小学生向けクラスも開いており、既に約140人が放課後や土曜日に学んでいる。

 計画では、この幼稚園に隣接する土地を借りて新たに校舎を建設、1学年120人程度の私立小を開校する。一方で、0歳から2歳児の教育も本格化させる。

 カリキュラムには、イタリアの教育家、マリア・モンテッソーリが提唱し、欧米に広がった「モンテッソーリ教育」を導入する。

 この教育では、0歳から6歳の間を、感覚や運動、言語などを身につける重要な時期と位置付け、個々の発達に合わせた学習内容や独自の教材を使用する。幼稚園以上は、社会性を育てるため異なる年齢で作る縦割りのクラス編成も行う。教師には、子どもが自由に、かつ規律を身につけ活動出来るようサポートする専門知識が必要だが、幼稚園にはモンテッソーリ教育の研究所もあり、指導者養成が可能になっている。

 学校の開設では通常土地建物の自己所有が条件なため、同法人では賃貸で開校可能な構造改革特区の申請を横浜市に申し出ている。同市教委では「新しい学校の取り組みが公教育にも良い影響があると判断できれば今年秋の特区の申請は可能だ」としている。幼児教育に詳しい文科省幹部は「海外では実績がある教育で、保護者のニーズも高い。将来が楽しみ」と話す。