落胆のメカニズム解明 脳の特定部分が活発化

 期待している大きな報酬ではなく、やむを得ずほかのものしか選べない場合には、脳の特定の部分が活発に活動していることを木村実京都府医大教授(神経生理学)らがサルの実験で解明、米科学誌サイエンスに17日、発表した。
 木村教授は「この部分は葛藤(かっとう)や落胆などの感情や試行錯誤することと関係がある」としている。
 木村教授らは、ランプの色によって報酬となる水の量が多い場合と少ない場合の2種類が表示され、正しいボタン操作をすると水が得られるようにして実験した。
 すると水の量が多い表示の場合はサルは素早く行動しミスは少なく、自分の行動と得られる結果の関係を学習していた。
 サルの脳の視床にある正中中心核(せいちゅうちゅうしんかく )(CM核)という部分に電極を入れると、期待を裏切る少ない量の表示が出た時にだけ、CM核で活動電位が高まっていることが分かった。