誇れる一年

私はこの十ヶ月を、一年後に振り返った時に、胸を張って“やるだけのことは、やった”と言えるようにするつもりである。去年、予備校に通っていた時、ある講師が次のような事を言っていた。「貴方がたが受験を終えてから、この一年を振り返った時に、自分を誇ることができる一年にして下さい。この一年を自信を持って頑張ったと言える一年にして下さい。今、勉強ばかりやっていて、回りの人から格好悪いと思われても、将来この一年は自分の自信になるし、格好いいものに変わっているはずです。逆に、今やらなければ、今はいいかもしれないが、将来、この一年を振り返ってみて、どうしてもっと頑張らなかったんだろうと悩んでも悩みきれない後悔の気持ちが生まれるはずです。しかも、一生に一度しかない一日一日を、ぜんぜん充実してない毎日にしてしまっては、さびしい人生になってしまいますよ。どうか誇れる一年にしましょう。」このことを聞いて、私は、ドキッとし、自分を恥ずかしく思ったことを覚えている。従って、今年こそは、この言葉を聞いて恥ずかしくないよう、この十ヶ月を、毎日が充実した日に、やるだけのことはやったと言えるように。そして将来、この十ヶ月を誇れるように過ごすつもりである。
十ヶ月後、入試の面接試験で“浪人して何を得たか”“浪人生活はどうだったのか”という面接官からの質問に対し、自信を持って“この一年は、毎日毎日が本当に充実した一年だった。自分の中で本当に誇れる一年を過ごして来たと思う。この浪人生活を通して、私は、自分でもわかるぐらい確実に成長しているはずだ”といえるようにしたい。