阿部寛


●主演ドラマは高視聴率

週刊モーニング」に連載中の人気マンガのドラマ化「ドラゴン桜」(TBS)が初回視聴率17.5%の上々のスタートを切った。主役を演じているのは阿部寛(41)。

「モデル出身では珍しい演技派です。NHK大河ドラマ義経』でも光っているし、代表作となったテレ朝のドラマ『トリック』はパート1が5年前に放送され、その後もスペシャルが制作されるほどの人気です。16日公開の映画『姑獲鳥の夏』も話題です」(芸能ライター)

 モデル出身で阿部ほど活躍している俳優は今のところ見当たらない。ここまでステップアップできたのはつかこうへいとの出会いが大きい。93年つか作・演出の「熱海殺人事件」の舞台に立ってから開眼した。

「阿部は女装して男とキスするシーンもある“ホモの元棒高跳び選手”という役でした。これが評論家に絶賛された」(芸能ライター=前出)

 最近は蜷川幸雄の舞台「近松心中物語」でも主演している。

沢口靖子と噂になった

 メジャーになったのはバラエティー番組「笑っていいとも!」(フジテレビ)の“いい男さんコーナー”だった。これでイケメンぶりが話題になり、役者の仕事が舞い込むようになった。

 役者としてつまずいたのはドラマ「二十歳 もっと生きたい」(日テレ)。

「共演した沢口靖子との仲をさんざん書きたてられました。本人は関係を否定していますが、騒がれてから仕事が減ってしまい、1年くらいはほとんど仕事がなかったそうです」(雑誌記者)

 それまではCMも絶好調で1億円近い収入があった。都心に高級マンションも購入したが、生活が一転してしまった。

「阿部は一時期、Vシネで濡れ場を演じたこともあった。浮名を流したのはこの頃で相手は若村麻由美中村あずさなどです」(雑誌記者=前出)

 ちなみに3年前には元モデルとのツーショットを写真誌に撮られた。

●小柄な家系に生まれた

 64年6月、神奈川県横浜市生まれ。大手建設機械メーカーの技術系サラリーマンの父、母、5歳上の兄、3歳上の姉の5人家族で育った。

「父は158センチ、母は161センチだし、兄も姉も小柄です。189センチまで背が伸びた阿部は突然変異みたいなもの。子供の頃から運動が得意で中学時代は陸上部で活躍し、将来の夢はオリンピック選手でした」(雑誌記者=前出)

 市立三ツ沢小から松本中、県立白山高校。1浪して中央大理工学部電気工学科に入学した。阿部は高校時代から新聞配達や印刷工場などのアルバイトに明け暮れ、マクドナルドで深夜メンテナンスのアルバイトをしていた時はゴミ袋に捨てられたハンバーガーをかじったり、シンクにお湯をためて風呂がわりに使ったこともあるという。

 大学2年で「ノンノ・ボーイフレンド大賞」で優勝したのが芸能界の入り口。実は相当な苦労人で、ハングリー精神が今の阿部を支えている。