伊東美咲 目標の山口智子を追撃

 ドラマが始まる前には共演者・伊藤淳史(21)の堂に入ったオタクぶりばかりが話題になったが、フタを開けてみれば予想以上の出来。「電車男」(フジテレビ)で初主演をゲットした伊東美咲(28)にしてみれば「してやったり」の心境だろう。

 初回視聴率18.3%は、同局の月9ドラマ「スローダンス」(22.5%)に次いで、夏ドラマの中で2位。これだけでも快挙だが、価値があるのは、この数字がさまざまな厳しい条件を乗り越えてのものということだ。当日はロンドンの同時テロ勃発の日で、視聴者の関心はニュース番組に集中した。しかも、ライバルのTBSが用意したのは米倉涼子が主役で前評判の高かった「女系家族」。その米倉に0.2ポイントの差で競り勝ったのだから、これ以上のスタートはない。

 実は、伊東は映画での初主演作「海猫」(04年11月公開)でコケていた。公開前には伊東の“大胆濡れ場”が話題になったが、直前にスポンサー事情でほとんどカット。とたんに客足が遠のき、興収のペイライン7億円も大きく割り込んで、5億円そこそこに終わった。同時期に上映されていた「デビルマン」(興収5.2億円)にも負けて、伊東のプライドはズタズタだったに違いない。それだけに、「電車男」の好調は伊東にとっても忘れられない作品になりそうだ。

 目標とする女優は、事務所の先輩・山口智子。もともとは女優になる気などなかった。幼稚園の先生を志望して大阪の短大に通い、資格も取得している。そこへ声を掛けてきたのが現在の事務所。山口智子もかつて経験したビール会社のキャンペーンガールに誘われ、「山口さんもやった仕事なら」と芸能界入りした。

 今回のヒットで自分の方向性も見えてきたのではないか。電車男エルメス役は、恋愛ドップリのシリアス劇である「海猫」のヒロインとは対極にある役柄だ。考えてみれば、お茶の間に顔が覚えられるようになったのも、「チョーヤの梅酒」のおねえちゃん役。コミカルな演技の方がこの人の長所が引き立つようだ。

 米倉涼子が「怖い女」に自分のポジションを見いだしたように、伊東美咲は「アッケラカンとした女」――。ここさえ踏み外さなければ、目標の山口智子に届く日も、もうすぐそこだ。


AKIBA系・おたくを演ずる伊藤淳史さんちゅうのは元ちび・ノリダーだとか。やっぱ小さいときから演技してないとあの不気味な感じは醸し出せないね。脱帽だ。
ドラゴン桜の映画版では伊藤淳史さんを主役にしなきゃだめだね。)